お店を始める前にテストする時代へ

本日、『お試し店舗』をつくるサービス”téstrun(テストラン)”をリリースしました。
コロナの影響でたくさんのお店が閉店しているにも関わらず、なぜ今から実店舗のサービスを始めようとしているのか。
この記事ではその理由についてお伝えします。

 

 

ここ福岡では緊急事態宣言が発令中ですが、そうなる前のちょっとした期間に近所の焼肉屋に行きました。その話から始めさせてください。

お店は満席で、近くの席では草野球帰りの団体さんが賑やかに野球の話をしていました。私はほとんど喋らなかった(周りの話し声が大きすぎて喋るのを諦めました笑)にも関わらずとても楽しかったんですね。何が楽しかったのだろうと考えたら、ひとつ心当たりがありました。

それは久しぶりに”活気に触れた”ことです。それが、楽しかった原因でした。

 

 

アフターコロナでの実店舗は是か?否か?

 
今、店舗って必要でしょうか。
昨今のコロナ禍の影響でたくさんの店舗が閉店している状況を見ていると、今から実店舗を始めるのはとてもリスクが高いことのように思えます。
 
まず、密を避けることが当たり前になったので、不要不急で出歩く機会が減っています。そして、リモートワークへの移行でオフィスから自宅へと拠点が移り、街で人と会う機会が減りました。さらに、海外からのインバウンドには期待できないし、県をまたぐのすら自粛しなければならないことから、集客エリアが狭まりました。
これらが示している事実は、店舗の前を通る人の絶対数が減り、それが元に戻るとは考えにくいということです。
 
でも、店舗の前を通る人だけがお客さんでしょうか。コロナ禍でも人気のラーメン屋さんは、やっぱり行列ができています。コロナ禍にあって、変化していることと、変化していないことがあるのはなぜでしょう。
 
この違いはおそらく「代替」できるかどうかだと思います。
私が行った焼肉屋はテイクアウトができますし、UberEatsもやっています。でも、そこで触れることができた”活気”は、代替できないものです。そこでしか体験できないコトがあれば、人はわざわざ足を運ぶし、運びたいのです。
 
実店舗は、前を通る人の絶対数だけが影響しているわけではありません。
実店舗は以前よりもお客さんが減り、始めるリスクは高くなっていますが、その”存在価値”は変わっていないのではないでしょうか。
 

それでもやっぱり実店舗のリスクは高い?

 
実店舗の魅力は変わっていない、と言っても、お店の前を通る人の絶対数が減っている状況はやっぱり不安です。店舗にとって立地(集客力)は、最も重要な要素ですからね。
 
この不安を抱えたまま店舗を始めるためには、リスクについて最初からよく検討する必要があります。そこで実店舗の3つのリスクについてわかりやすいように、ECサイトと比較して考えてみます。
 
①初期費用
ShopifyやBASEなどを利用すると、誰でも無料でネットショップが開店できます。
実店舗では、数百万円の敷金や数百万円の内装工事費がかかります。
 
②投入時間
ShopifyやBASEなどを利用すると、最短1日でネットショップが開店できます。
実店舗では、お店のコンセプトを決めるところから始まって、物件を探して契約し、内装デザインを考えて工事して、運営スタッフなどのオペレーションまで必要です。
 
③非弾力性
ネットショップでは、反応がイマイチだったら簡単に改善を繰り返すことができます。
実店舗では、撤退するにも賃貸契約期間はだいたい5年以上の縛りがありますし、内装を変えようと思っても費用がそれなりにかかります。
 
大きなコストと時間を投資して、違ったと思っても変更しにくいのが実店舗です。そして今はコロナ禍で、この先どうなるか誰にもわからない、ちょうど変革期。だから特にムズカシイ。
 
日々ルールが変わっていく中で明らかになっているのは、今までのやり方が通用しなくなってきているということです。
 

アフターコロナの店舗づくりとは?

 
どうすれば良いかわからないときは、身動きが取れなくなります。そんな時は「◯◯じゃないかな?」という仮説を立てることが有効です。誰にも正解がわからないときは、何か基準になることを決めてしまうことです。それは根拠がなくても、論理的に説明できなくても、とにかく決めてしまうことが大事です。
 
そして、仮説を立てたら即座に実行します。
今までは準備にたくさん時間をかけて、100%の状態にしてからというのが一般的でした。しかし、これだけ多様化した世の中では、いくら考えても成功法則は見つけにくくなっています。それよりも実行から検証して改善することが求められます。
 
「構え(アイデア)、撃て(実行)、狙え(計画)。」
 
この順番が正解の見えないときの対策法です。
仮説を立てたら、時間とコストをかけずに最初のプロトタイプ(試作品)を作ります。そしてプロトタイプ(試作品)を市場にリリースして、ユーザーからの評価をもらいながら正解に近づけていくことが大切です。頭の中だけでは見えなかった課題が浮き彫りになり、もっとも早く正解に近づける方法です。
 
先の見えない時代には、アイデアが浮かんだらまず小さく実行して、それから検証を繰り返しながら改善していく。テストランが提供する『お試し店舗』は、実店舗のプロトタイプ(試作品)という役割を担っています。
 

まとめ

 
このような時代に、実店舗を出店することは非常に難しいと思います。過去の成功体験を真似ても、頭の中でしっかりと考えても通用しなくなったからです。
 
今までは早く・安く・簡単に店舗のプロトタイプ(試作品)をつくるという仕組みも発想もありませんでした。そこでテストランでは、小さなリスクで始められる『お試し店舗』という価値を提供しています。
 
今、周りのライバル店は実店舗展開に二の足を踏んでいます。テストランは、簡単に一歩を踏み出すことができるチャンスを提供しています。
 
実店舗はリスクが大きい。しかし、実店舗はとても魅力的である。
このふたつを両立させるために、これからは”お店を始める前にテストする時代”がやって来ると考えています。
 
《テストランのご紹介》